20世紀は、かって経験したことのない激動の時代であった。
科学技術が飛躍的に進歩し、経済が著しい成長を遂げ、物質的には豊かな社会となる一方で、人口や食糧問題、そして地球環境問題といった新たな課題が発生し、近年、私たちを取り巻く環境は、非常に厳しい状況に直面している。
私たちの身近にある森を見た時、天然木を求めて山の奥へと分け入り、貴重な森林の伐採が今も続けられている。しかし、植林は手間暇がかかるため、切り出した後は自然に再生するのを待つのみで、簡単に手に届く輸入木材にその多くを頼るのが当然のこととなっている。
天然林の抜き切りを繰り返し、その全てを放置したままというやり方には、遠からず限界が訪れるとともに、海外においても、貴重な熱帯林や北方林が失われ、かけがえのない生態系の破壊につながっている。
近年、「森が死んでいる。」という言葉をよく耳にするが、「森が死んでいる。」とは「土」が死んでいることを表す。
手入れされない人工林は、地表まで光が届かないため土壌が痩せ、痩せた土壌では新たな生命は生まれない。森を再生させるためには、ある程度の木を伐採しなければならない。
つまり間引くこと、間伐が必要である。
森を生き返らせ森を守る活動として、森を再生する植林から間伐、間伐材の活用までを総合的に捉え環境共生型のネットワークの構築を進めることが必要である。
私たちは、何故この様なことになっているのかを見直すことを通じて、日本の文化の再構築に貢献したいと考えている。
森を愛する全ての方々とともに、森を守り育てることから快適で美しい生活環境まで、従来日本人が大切にしてきた木を巡る生活文化について、もう一度考え直す社会運動を展開する。 |